空き家で火災が起きた場合の法的責任はどうなる

空き家にしている実家から火が出た場合、所有者はどんな責任を負うのでしょう。

最近毎日のように火災の記事を目にします。

その中でも気になるのが、空き家から出た火が隣接する建物に広がる・・・というものです。

空き家から火が出る原因としては多くの場合、放火や火遊びなどが多いですが、まれに漏電やコンセント付近のホコリが原因の事もあります。

空き家は人の目がないという事で放火の被害を受けやすい物件だといえます。

我々が管理している物件では、極力空き家に見えない対策や、燃えやすいもの、たとえば郵便受けのチラシや風でたまった落ち葉などがない状態にしています。

先日の打ち合わせでも、やはりお客さんが気になるのは、空き家にしている物件の火災の被害についてです。

以前こういうケースがありました。

・実家を離れて生活しており、ずいぶん前に相続したものの現在は空き家状態

・その空き家状態の実家から出火し、隣家を含む3軒に延焼

・割れた窓ガラスから近所の少年たちが出入りしていているのが確認されていて、その少年たちの火の不始末が原因とみられる

・隣家の住人からは空き家の管理を適正に行っていなかったことが原因と言われる

・被害にあった空き家に火災保険はかけていなかった

失火責任法は失火者に重過失がある場合に限定して賠償責任を負わせるというものです。

重過失とは・・・例)寝タバコ・天ぷら油を加熱したままその場を離れる・石油ストーブのそばにガソリンの入った瓶を置く等

今回は空き家に侵入した第三者のタバコの火の不始末の場合、所有者に重過失が見られる可能性は低いと考えられます。

空き家を適正に管理することが一般的になってきた現状では、今後、空き家を放置していることが重過失に問われる可能性が高くなると思われます。

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