1. 住み継ぎリレーとは?
鳥取県が2024年度から新たに開始する「住み継ぎリレー」は、高齢者が住む住宅を若者世代が引き継ぎやすくするための支援制度です。
具体的には、高齢者と若者が同居する場合に、住宅改修費の一部を補助するもので、県と市町村が改修費の半額(上限100万円)を負担します。
この制度は、空き家の増加を抑え、世代間の住まいの引き継ぎを円滑にすることを目的としています。特に、高齢者の単身世帯や夫婦のみの世帯が増加する中で、空き家化を防ぐ重要な施策といえます。
2. 「2025年問題」と空き家の急増リスク
鳥取県がこの制度を導入した背景には、「2025年問題」があります。
これは、戦後のベビーブーム世代である団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、日本全体の高齢化が加速するという課題を指します。
厚生労働省の2023年の調査によると、日本の高齢者世帯の64%が「独居」または「夫婦のみ」となっており、今後、相続をきっかけに空き家が急増する可能性が高いとされています。
特に、
- 現在の後期高齢者は約1,500万人
- 2025年には約2,200万人へと増加する見込み
- 団塊世代の8割以上が持ち家を所有
- そのうち75.3%が一戸建て
これらの住宅が相続ラッシュによって市場に流れ込むものの、買い手が見つからず放置されるケースが増えると、空き家率の上昇につながります。
特に、地方ではすでに深刻な空き家問題が発生しており、この動きが全国的に広がる懸念があります。
3. 空き家管理の視点から見る「住み継ぎリレー」の可能性
「住み継ぎリレー」は、これまでの空き家対策とは異なる新たなアプローチを取っています。
従来の空き家対策との違い
これまで、空き家の改修や利活用に対する補助金制度は存在しましたが、高齢者と若者が同居することで住まいを引き継ぐという支援は新しい視点です。
この制度のメリットとして、
- 空き家化を防ぎながら、住まいの資産価値を維持できる
- 若者世代が住宅を確保しやすくなる
- 高齢者にとっても安心して住み続けられる環境が整う
といった点が挙げられます。
空き家管理の視点で注目すべきポイント
- 「若者世代」の定義
- どの年齢層が対象となるのか(例:子育て世帯、単身者など)
- 対象となる住宅の条件
- 住宅の築年数や耐震基準などがどのように設定されるのか
- 補助金を受けた後の義務や条件
- どのくらいの期間住む必要があるのか
- 転売や賃貸利用が可能かどうか
これらの詳細が今後明らかになることで、制度の活用のしやすさが変わってきます。
4. まとめ
鳥取県の「住み継ぎリレー」は、高齢者の住まいを次世代へ引き継ぎ、空き家問題の解決につなげる新たな取り組みです。
これにより、
- 空き家の増加を抑えられる
- 若者世代の住宅取得負担を軽減できる
- 高齢者にとっても安心な住環境が提供される
といった効果が期待できます。
ただし、具体的な運用条件や支援対象の範囲によっては、制度の実効性が大きく変わるため、今後の詳細発表に注目する必要があります。
空き家管理の立場からも、このような施策を活用しながら、適切な管理・利活用を進めることが重要です。
制度を上手に活用し、地域全体で空き家問題の解決に取り組んでいくことが求められています。
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■山下裕二 プロフィール━━━━━━━━━━━━━━
妻と一男(大学2年生・大阪在住)一女(高校3年生)の4人家族。
気が付けば、空き家を管理して20年。
これから空き家を管理するだけではなく、資産として利活用する方法も皆さんと一緒に考えていきたいです。
一般社団法人空き家管理士協会 代表理事
https://www.akiyakanrishi.org/
空き家管理舎パートナーズ 代表
https://www.akiyakanrisha.net/
有限会社 山下建設 代表取締役