スクワットときいて、一般的には太ももなど下半身を鍛える筋トレの事だと思うでしょうが、別の意味でも使われます。
日本ではあまりなじみがないですが、海外で空き家や空きビル、居住者が長期にわたり留守にしている住宅などを無断で占拠することを「スクワット」と呼びます。
イギリスやドイツ、オランダなど欧米諸国ではこのスクワット行為そのものは合法であるとされてきた歴史があります。
日本でもこれだけ空き家が増えてきて、所有者不明の土地や家屋が増えてくると、知らない間に勝手に住みつき自分のものにしてしまうケースが出てくるのか?
所有者の立場からすると、隣の方が知らない間に自分の土地まで浸食してきて、境界が分からなくなるようなケースはあるとしても、まさか知らない間に知らない人に勝手に住みつかれることまでは無いだろう・・・と思っていると思います。
しかし最近になってこのようなニュースを見ることが増えてきました。
・空き家になった実家でホームレスが変死し事故物件に。
・無断で空き家居住 宮崎北署 容疑で女逮捕。
空き家調査の現場で、ご近所の方からいただく相談で以前は、空き家に中学生のようなこどもたちがたむろしている・・・などの苦情が多かったのですが、最近はこのように、夜になると誰かが来ているみたい、とか誰か住んでる気配がする、とか苦情の内容が変わってきました。
宮崎県のケースは、空き家になった実家をそのままにしていたら、知らない間にアカの他人が平穏・公然・善意・無過失で占有していたというものです。
最初の3年間は自分で住み、そのあと7年間にわたり賃貸に出し収入を得ていた。なんてちょっと信じられないことが起こっていました。さてこの場合、本当の所有者は実家を取り戻せるのか?
この場合、なんとも理不尽ですが取得時効10年を経過しているので、取り戻せない!というのが法律的な見解です。
【時効取得】とは・・・他人の物または財産権を一定期間継続して占有または準占有する者に、その権利を与える制度で、消滅時効とともに時効の一つである。取得時効により権利を取得することを時効取得という。
今回の場合は不動産侵奪の疑いで逮捕されましたが、今後日本でもこういうケースが出てくるかもしれません。
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