東京都内の住宅価格が急騰し、「家が高すぎて買えない」という声がますます増えています。
2023年には、東京23区の新築マンションの平均価格が1億円を突破。過去10年で、ほぼ2倍にまで上昇しました。
この急激な価格上昇により、多くの子育て世帯が都心での生活を諦め、近郊や地方に移住する現象が広がっています。
これはまさに、都市中心部から人が流出し、周辺地域が発展する「ドーナツ化現象」の一因となっています。
住宅高騰の背景
埼玉県川越市に住む20代後半の会社員は、「到底、都内で買える物件はなかった」と嘆きます。
この状況を招いた主な要因のひとつは、建設コストの上昇です。
建設資材の価格は世界的な需要増加に加え、円安による輸入コストの上昇も重なり、さらに高騰しています。
不動産会社も利益を確保するため、都内でも人気エリアに高級マンションを次々と供給し、全体的な価格上昇を引き起こしています。
子育て世帯の苦境
結果として、子育て世帯の多くは都心で住居を購入することが難しく、周辺地域への移住を余儀なくされています。
高騰する住宅価格が、特に若い家族にとって大きな障壁となり、東京23区からの流出が進んでいるのです。
これは、都内の人口構成に影響を与えるだけでなく、地域社会の多様性も失われてしまう可能性があります。
小池都知事の公約と解決策
東京都の小池百合子都知事も、この問題を意識し、手頃な価格で住める「アフォーダブル住宅」の推進を掲げています。
アフォーダブル住宅とは、手ごろな価格で取得でき、住み続けられる住宅のことを指します。
公営住宅の拡充や、民間と協力したセーフティネット住宅の提供などが現実的な解決策として挙げられます。
また、都内には約90万戸もの空き家が存在すると言われており、これらを有効活用することも重要です。
空き家をリノベーションして提供することで、住宅の供給量を増やし、価格の抑制に寄与できる可能性があります。
未来の東京と住宅問題
タワーマンション文学が描くように、東京が一部の富裕層や海外投資家の投機対象となり、若者や子育て世帯が消えてしまう未来は避けたいものです。
東京の住宅問題を解決し、すべての世帯が安心して暮らせる社会を実現するために、政策や新しい住宅供給方法が急務です。
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■山下裕二 プロフィール━━━━━━━━━━━━━━
妻と一男(大学2年生・大阪在住)一女(高校3年生)の4人家族。
気が付けば、空き家を管理して20年。
これから空き家を管理するだけではなく、資産として利活用する方法も皆さんと一緒に考えていきたいです。
一般社団法人空き家管理士協会 代表理事
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空き家管理舎パートナーズ 代表
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有限会社 山下建設 代表取締役