近年、日本では空き家問題が深刻化している一方で、新築マンションや戸建て住宅の建設が続いています。
この現象には、住宅市場を取り巻く複雑な背景があります。
今回は、不動産市場における需要の変化や空き家問題に影響を与える要因について掘り下げていきます。
一人暮らし世帯の増加—住宅需要の構造変化
2020年の国勢調査によると、日本の一人暮らし世帯は2,115万世帯に上り、全体の約38%を占めています。
その中でも、65歳以上の高齢者による一人暮らし世帯は約672万世帯、全一人暮らし世帯の約3割を占めています。
このデータは、日本が高齢化社会を迎え、住宅需要の構造が変化していることを示しています。
高齢者の多くは新たな住宅を購入するケースが少ないため、一人暮らし世帯の増加は既存住宅の利用率を低下させ、空き家の増加を助長する可能性があります。
一方で、若年層の人口減少にもかかわらず、住宅市場の需要は一定の水準を保っています。
富裕層による不動産購入—相続税対策としての利用
住宅需要が減少しない背景には、相続税対策としての不動産購入があります。不動産は、購入時の実勢価格(時価)よりも相続税評価額が低いため、相続税の負担を軽減する方法として広く知られています。
特に、地方在住の富裕な高齢者が東京や大阪の中心地にあるタワーマンションを購入する例が増えています。
このような物件は、相続税評価額が低く抑えられるため、節税効果が大きいとされています。
不動産会社はこの点を強調し、富裕層をターゲットにした営業活動を展開しています。
この結果、都心部のマンション価格が上昇し、一部の市場では過熱感が見られます。
空き家問題のさらなる深刻化
住宅市場が活発である一方で、空き家問題は解消されていません。
総務省のデータによると、2023年時点で日本の空き家率は約14%に達しており、年々増加傾向にあります。
この背景には、高齢化社会の進展や人口減少だけでなく、相続後の家屋が放置されるケースが多いことが挙げられます。
また、新築住宅の供給過剰が、既存の空き家にさらなる影響を与えています。
新築物件への需要が高まる一方で、築年数が経過した物件は市場価値が下がり、管理されないまま放置される傾向があります。
私たちにできること
空き家問題と住宅市場の課題は複雑に絡み合っています。しかし、これらを解決する方法はあります。たとえば、空き家の利活用を促進し、地域の活性化につなげる取り組みが有効です。また、不動産の相続時に適切な相談窓口を設けることで、空き家の放置を未然に防ぐことも重要です。
私たち空き家管理士協会は、空き家所有者や地域社会に向けて、適切な管理方法や利活用の提案を行っています。空き家は地域の資産であり、その活用次第で大きな可能性を秘めています。
皆さんもご自身の資産や住環境について関心を持ち、空き家問題の解決に向けた一歩を共に踏み出しましょう。
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■山下裕二 プロフィール━━━━━━━━━━━━━━
妻と一男(大学2年生・大阪在住)一女(高校3年生)の4人家族。
気が付けば、空き家を管理して20年。
これから空き家を管理するだけではなく、資産として利活用する方法も皆さんと一緒に考えていきたいです。
一般社団法人空き家管理士協会 代表理事
https://www.akiyakanrishi.org/
空き家管理舎パートナーズ 代表
https://www.akiyakanrisha.net/
有限会社 山下建設 代表取締役