マンションの空き家問題は一軒だけの問題にとどまらない所が問題です。
相続放棄の増加で管理費・修繕費が足らなくなるとマンション自体の存続に関わります。
マンション内の空き家が問題になり、管理組合が対応に苦慮している。住民の高齢化や役員のなり手不足で、機能不全に陥る管理組合も目立つ。国は外部専門家の登用を推奨するが進んでいない。住民の当事者意識が乏しいことが背景にある。
「親のマンションを子が相続放棄する例が増えている」。東京都マンション管理士会副理事長の若林雪雄さんは指摘する。国土交通省の調査では、回答した639組合のうち連絡が取れない所有者がいるのは14%。このうち築40年以上が29%を占める。
マンションで空き家が増えると、管理費・修繕費が集まらなくなる。修繕計画など重要事項が決められなくなり、マンションの存続が危うくなる。一方、住民の高齢化で役員のなり手がいないなど、組合運営が難しくなるところも目立つ。
住民と管理組合の危機意識も乏しい。東京都は専門家を1回2万円程度で派遣しており、年間20件近く利用されている。ただ、応募するのは運営に熱心な管理組合ばかり。「空き家リスクが高いところからの応募はない」(マンション課)のが実態だ。
空き家問題だけでなく、外国人による投資や民泊利用など、マンションが直面する課題は増えている。「管理組合は幅広い問題への対応力が求められている」
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