不動産取引制度が抱える問題。

制度面からの空き家問題についての記事です。

この記事にもあるように不動産業界はまだまだ制度面で遅れていたり、不透明な部分がそのまま継承されていたりしますが、その分変わり始めると一気に進むんじゃないかと思います。特に最近そういう風を感じますね。

既存の住宅が空き家のままで利用されない原因には、日本の不動産取引制度が抱える課題があります。

既存の住宅を買う場合、買い手からすると傷み具合など性能面の不安が問題となります。宅地建物取引業法の改正で2018年4月からは、建物の傷みの状態や修繕の履歴がわかるよう、建物状況調査のあっせんと図面・修繕履歴などの有無を示した取引が始まりました。しかし、建物状況調査は必ずしも義務ではなく、また図面等の有無が示されるだけで、その内容が十分に説明されるわけではありません。このため購入者の立場からすると、性能や将来の修繕に関する不安が残ることになります。

価格の妥当性についての判断も課題です。住宅購入者の9割が中古住宅を購入している英国では、買い主に雇用された「サーベイヤー」が建物を調査し、どこがどれだけ傷んでいるかを把握したうえで、適正な価格を評価します。消費者自身が価格の妥当性を判断したければ、近隣住戸の登記をみることで取引価格がわかります。つまり買い主が自分の意思で、自分の知りたい状況を入手できる仕組みがあります。

買い手のための情報開示も進んでいます。日本では不動産取引に不動産業者しか立ち会わないことが多いのですが、英国では買い主・売り主双方に弁護士が代理人として関与します。こうした様々な専門家集団に支えられた取引体制となっていますが、取引費用が高くなるわけではありません。専門家の関与による安心な取引体制と情報開示の推進が必要です。

日本では既存住宅を貸すことにも積極的になりにくい理由があります。借地借家法では人に住宅を貸すと、なかなか返してもらえない制度になっているからです。家主に正当事由がない限り借りた人が利用し続けられ、所有者は貸さずに空き家のままにしておくことを選びかねません。定期借家であれば約束した期限が来れば必ず借家契約は終わります。こうした制度の浸透が望まれます。

既存住宅を安心して使える体制の整備を進めるとともに、その内容の理解を促進することが必要です。

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